北人に朝イチに伝えた。
玲於さんのことは諦める。
二人で売店のパンを買って北人だけが行ける
屋上に二人で座って食べている。
今になってはここは、私達の秘密基地みたいなもの。
握りしめるパン。
北人に初めて大声を出した。
…性格悪いの丸出しだけど
北人って私のこと好きって言ってくれた。
好きな人に好きな人がいなくなったなら
喜ばないの?
ああああああ、
イライラが増すにつれて闇の私が現れ出す。
…幸せだったもん、
玲於さんの事考えるだけでお腹いっぱいになる感じ。
まさに、それが私の幸せみたいなもので
その大きな瞳。
吸い込まれそうになる。
私の肩を掴んで 大丈夫 だって言ってくれた。
…でも、私
もう、玲於さんとは会わないって決めたばかりなのに
こんな簡単に、破っていいの?
今日帰ったら聞こう。
玲於さんのこと。
ちゃんと。
…私、ダメだよね。
諦める、とか言っておきながら
まだ玲於さんのことずっと考えてるから。
オムライスの味とかよく覚えている。
玲於さんの隠し味だって。
そんなものまで!?
っていうものだって私に作ってくれる時に
入れた玲於さんのその顔。
今でも忘れない。
そして、伝えよう。
玲於さんが好きだって。
もうそろそろ…Finかもデス!
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。