第57話

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2018/12/01 10:35
智洋side
神山「あなた?」
『あ!神ちゃん!!何?』
神山「ちょっとええか?」
『うん。』
俺はあなたと廊下の椅子に座って話を聞く
聞いてみるとあなたにとってはとても辛いことだった
あなたのオカンがアルツハイマーにかかったこと
オトンがいなくて大変だということ
オカンについて考えすぎて、夜眠れないということ………
ホンマに辛かったんや……
神山「………少し休んでもええで?」
『いい』
神山「でも……」
『私、昔から母さんが嫌い』
神山「え?」
『いつも、自分のことにばっかお金使って私の学費払ってくれなくて、帰りは遅い。料理は出来ない。その割に私がまだ作ってるって言うと、遅いんだけどって。』
神山「………」
『そんなん言うなら自分でやれって』
神山「それは思う」
『で、お父さんが死んだ時、私も死にたいって思った』
神山「え、なんで」
『母さんとなんて居たくなかった。自分のことしか考えてない人と』
神山「うん。」
『でも、誰かが言った言葉にそうだなってまだ生きてなアカンって思わせてくれた』
神山「その言葉って?」
『君が死にたいと思った今日は、昨日死んだ人が生きたかった今日だ。だから生きろ』
その言葉から今のあなたが居る
そう考えると、あなたは辛い日々を送ってたんだ
頑張りすぎるのは相談する人が居らんからなんだ
そう思った
神山「………辛かったんやな」
『でも、母さんがアルツハイマーにかかったって聞いた時、悲しかったんだよね』
神山「え?」
『自分は母さんに何してあげたんだろうって。いつかはわすれる母さんに覚えてて欲しいって思った』
神山「それって……」
『母さんを嫌いって思ってたのは頭だった。心はずっと元気でずっと明るくて、自分のことしか考えてない母さんでいて欲しいって思ってた』
神山「………」
『………なんでこんなこと神ちゃんに話してるんやろ』
神山「もっと話してもええよ」
『え?』
神山「全部聞かせて?」
『なんで……』
神山「あなたは今まで辛い思いしてきて、辛くても言葉に出来ないのはあなたのオカンがそういう性格やったからやろ?やったら、俺らメンバーが支えたる。辛いときは辛いって言うてええし、嫌なら嫌って言ってええ。」
『(இдஇ`。)』
神山「な?」
『うん。うん。ありがとう』
ホンマに溜めすぎや

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