さっき入った望からの連絡。
さっきって言っても4時間前。
今は12時。
めっちゃ眠たいけど望に会いたいから頑張って起きてる。
寂しい。
ふと横見たら望のパーカー。
それを拾えば望の匂いがした。
安心する。
こんなん初めてやった。
寂しくて泣いてしまうなんて。
望のパーカーを持ちながら横になってた。
いつの間にか1時を過ぎてた。
まだ涙が出てくる。
泣きすぎて頭が痛い。
泣いて疲れたのか私は寝てしまった。
望side
4時間前、あなたに連絡を送った。
既読無視やから心配。
なんも無かったらええけど。
こんな遅なるん初めてやから。
それから1時間後。
今はもう1時過ぎ。
俺はあなたが待ってると思って早く家に帰った。
小さく言えば帰ってこない返事。
寝てんのかな。
[ガチャ…]
リビングに行けばソファにあなたがいた。
今日、朝俺が脱ぎ捨てたパーカーを抱きしめて寝てる。
あなたの目には涙の跡。
寂しい思いさせたんやって思った。
初めてやったから怖かったんかな。
そう言ってあなたの頭を撫でる。
夢の中で俺の名前を呼ぶあなたを見て微笑んだ。
あなたをお姫様抱っこしてベッドに連れて行った。
そう言いながら抱きついてくるあなた。
抱きついたまま頭を撫でたら
なんて言うから離れれへん。
てか離したくない。
あなたからのお願いなんて初めてやから何回もしてやった。
多分、明日はあなたが甘えたなんやろな。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!