第63話
見知らぬ…天井?
フワフワと浮かんだ状態から、一気に堕ちた
息が詰まりそうな感覚で目が覚めた。
見覚えのない……天井?ではなかった。
そして、私の足には何か巻かれている。
あれ…私手当てした覚え…
ガチャッ
「あらあら、目ぇ覚めてたんやったらゆうてよぉ」
なにやら、綺麗な……
「初めまして、あなたちゃん。まぁ初めましてでは無いんやけどね〜!」
凄いお喋りさん…この綺麗な女性は本当に誰だか
分からない。
「まさかあのあなたちゃんやと思わんかったわぁ!」
「あぁ、ごめんなさい!月詠ちゃんとは長い付き合いでねぇ。まだあなたちゃんがこーんな小さい時に初めましてしてたんよ!」
「オカンッ!さっきから呼んでるんやけど!」
あ、あれ……
「俺のパンツどこなん?!」
な、なんで……
侑と目が合った瞬間、バンッとドアを閉めた
ドデカい声が……
ドタバタドタバタと聞こえる足音
バンッと思いっきり開くドア
漫才かと思うぐらいキレのあるツッコミ
今どうしてこの状況になっているのかも理解し難い
……レイプの事も…かな
ギュッと、布団を掴むと。
スっと2人の手
北さんが泣くなんて想像出来なかった。
何が、
今の私の心には重くドッシリと響いた。
ポロポロと流れてくる涙が……きっと正真正銘
私の全ての思い。
涙が流れる度に2人は拭ってくれた。
そしてギュッと2人の温もりを感じた
私はただ、ただ……
謝る事しか出来なかった。
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