第38話
真っ暗な世界
ただただ真っ直ぐ長い事歩いていた
周りは真っ暗で何も無い
そして薄々感ずいた、私は死んでしまったんだと
「こっちに来てはダメ。」
誰?
「いいから。帰りなさい。」
どうやって帰れるの?
そもそも私死んだんじゃ……
「私の声の逆へ向かいなさい。そうすれば貴方の居るべき場所へ帰れるから。」
ねぇ、貴方は誰。
どうして私を助けてくれるの?
「ずっと貴方を見守ってきたもの。大丈夫。きっと目を覚ませば分かるから。今は何も迷わず歩きなさい」
私は女性の声が聞こえる真逆へと歩く
途中何度も振り返ろうと思ったけど、何故か振り向きはしなかった。
ひたすら真っ暗道を……。
_____________凪side
あなたの話を聞いてしまったら全て終わりなんだと
私の生きる希望がなくなってしまうんだと
だから私は逃げた……
そして運度神経の良いあなたは私を追い抜くなんて容易いことで…
そのせいで、あなたは私を助けると同時に轢かれた。
私のせいだ……
あの時逃げてさえ居なければッ
あなたは眠ったっきり、2週間目に入ろうとしていた
合宿は終わり、IH予選が始まる。
それぞれの高校はあなたを心配して重たい表情で帰った
【1週間前】
北さんだけは1週間東京へ残った。
病院の待合室で北さんからあなたの話を聞いた
あなたを思って泣いた…
沢山沢山泣いた……泣いても許される事ではないのに
私の気持ちなんてわかんないでしょ!
って言いたい気持ちもあった……
けど、余りにも正論過ぎて何も言えない…
北さんから言われた言葉1つ1つ心に響いた…。
あなたが目を覚ました時に連絡取れるように
北さんと連絡先を交換し、病室へ
北さんはあなたに優しく触れる。
北さんはあなたのおでこにキスを落とした
北さんに頭を深く下げた。
北さん大丈夫ですよ。あなた、北さんと話す時だけ少し照れた顔を見せます。
北さんはきっと本当に真面目で期待しない。
ただただ真っ直ぐな人だと思った……
あなたとお似合いですよ…。
少し寂しいけど。
あなた、早く目を覚ましてね。
沢山の人があなたを待ってるよッ。
北さんは夕方飛行機で兵庫に帰った。
▷▶︎▷▶︎NEXT