はぁっはぁっ……はぁっ…
夢中で走った…
1人になりたくてっ。
凪…会いたいッ……
ただ生きてるだけ…学校に来て普通に過ごしてるだけ
わざわざ地味になって目立たないようにしてるのにっ…何がいけないのっ
ドンッ
何度も何度も……
ドンッドンッ
拳からは血が…
その場で座り込み
??「あなたちゃん…?」
その声の方へ顔を上げると…
_____________
部活に向かおうと渡り廊下を歩いてると全力で
走っとる彼女がおった。
目で追いかけてるだけでええのに、体が勝手に動いて追いかけていた……。
そう言って思いっきり拳を体育館の壁にぶつけて
何度も何度も。
もうやめてや…。
手の甲からは血が出ていた
ゆっくり彼女はしゃがみ呟いた
嫌な顔するやろな。
でも、ほっとけんのよ…
いつの間にか彼女の名前を呼んでいた
______北side終わり
なんでいるの……
意外。こんな顔も出来るんだな…
いつも通り。そう……いつも通りの私で
なんなのっ。この人頑固過ぎ
何びっくりした顔してんの?
図星だった感じ?
あーあ、男って単純。本当にむかつく……
北さんは少しずつ私に近付き
北さんはゆっくり私の手を掴み、手の甲を眺めた。
私の中で何かが弾けた…。
多分我慢していたそのものだった
泣きながら答えると
優しく手をひいて、体育館横の階段に座らせ
頭を撫でられ笑顔でそう言った
男の人にこんな優しくされたのいつぶりだろう。
北さん……信頼してもいいのかな…。
______治side
夢原さんを追いかけようと思ったのに
いつの間にか北さん追いかけとった。
ゆっくりゆっくり体育館裏を覗くと…
北さんと…………夢……原さん?
「ちょっと。」
人間関係……まぁ確かにめんどいよなぁ。
北さんに今日の事バレたらシバかれるやろな……
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編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!