第86話
平凡な道へ
社長「お前やってくれたな!!!」
こっちに近付いてくるや否や、
パチンッッッ
男の人の平手ってめちゃくちゃ痛い
社長「糞ガキ共は引っ込んでろっ!!」
私の腕を掴み、社長は私を車の元へと
連れて行こうとする
社長「お前もかっ!!!母親と似て私からすぐ逃げるっ!!」
母親と一緒で?
違うでしょ……。そうさせたのは貴方だよ
社長「お前は一流の女優になれるんだぞ!何がそんなに気に食わないんだ!今回のこの件で皇徳寺から報酬だって倍だぞ?お前の欲しい金は幾らでも入ってくる!」
社長「なんだお前。餓鬼はこういうのに口出ししない方が身のためだぞ」
社長「なっ、凪だと?!皇徳寺財閥のッ…」
社長は私の手をパッと離した
え……買い取る?
社長「な、何を言っているんだ!買い取るだと?まだガキの分際で金銭面で解決出来るとッ」
社長「そんな戯言をッ……」
凪は名刺を社長に渡す
社長「皇徳寺凪……。
皇徳寺財閥か…?!会長??!?!」
私は凪と出会った頃
「私絶対に皇徳寺財閥は継がない」
そう言っていたのに……なんでっ。
社長「だっ!だから何だ!!子供は黙って大人の言う通りにすればいい!!」
北さんが口を開く、その目は明らかに怒っていて
社長の傍に居た私をそっと後ろから抱き締めてくれた
社長「おっ…お前らっっ……」
社長もうきっと為す術がないのだろう…。
ただただ悔しそうに、悲しそうに
社長にだって、何かしらあった。
社長「あなた、お前に一般人としての道は似合わない。」
もちろん私だって気付いてる。
自分のヴィジュアルは1番自分が分かっていて
何度も何度自分の顔で苦しんだか。
傷を負ってきたか。
ただただ社長の背中を眺めて、今後私はどうしたらいいのか
ぐちゃぐちゃなまま。
北さんとの恋はきっともう冷めていて
ドキッとする心より複雑な気持ちでいっぱいだった
そうだね。私自身が気付くべき事だった。
こんだけ有名人になってしまったんだもん。
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