大人の考えが分からない時がある。
私は社長とマネージャーの話を聞いて以来
その依頼の手紙を必死に探した。
社長が居ない間隈無く社長室を調べていた。
暫くして
ヤバいっっ。
私は社長室にいる、ここでバレたら……
ガタッ
ガチャっとマネージャーが入ってきて、目が合った
バレたならもう仕方ない。
素直に直球に聞いた
無理な事は分かってる。
でも、でもッ……
マネージャーからは大きなため息
この感じ絶対にダメなやつじゃん。
バレていたのなら尚更
「どちらにせよ君に真実を話す時は遅かれ早かれ来るだろう」
そう言って、依頼書を渡された。
依頼書_____________
夢原あなたを1月に行われる春高バレーの特別ゲストとして参加を依頼致しました。
これに応じない場合徹底して事務所から
夢原あなたを取り戻します。
応じた場合報酬は倍にしてお支払い致します。
皇徳寺財閥。凪
説明無しの、選択肢。
"取り戻す"ってなに。
"報酬を倍で支払う"ってなんで?
事務所の契約時には父親のサインも書かれていた
なぜ、凪は私の邪魔をするの?
いきなり連絡出来なくなったから?
でも、私はテレビにも出ているし雑誌では表紙にもなっている。
凪なら分かってくれると思ってた……
話がしたい。
マネージャーは笑っていた
なんで笑っているのかは分からない。
まぁ、報酬は倍なんだもんね
こんな良い条件他にはないでしょ。
_____________春高
私はベンツに乗り、総合体育館へ入る。
今は開会式なのかな?
そう伝え、体育館の中へ向かうとスタッフが出迎えた
スタッフ「あなたさん入りまーす!」
『今回なんとっ!特別ゲストが来ています!』
びっくりするほどみんな盛りあがっている。
呼吸を整え。
スタッフ「あなたさんどうぞっ!」
明かりがばっと消え、中央の扉が開く。
ここを越えれば私は皆とまた
一緒に居る選択肢を取れるかもしれない。
お母さん。多分お母さんの夢叶えられないかも。
ごめんなさい。
懺悔と共に、皆の声が聞こえた。
男バレ「うおおおおおおおおおお!!!」
男バレ「まじかよおおお!!!!!」
どうか、もう一度チャンスを下さい。
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編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!