______________愛佳side
北さんは部活だから私が目を覚ますまで傍にいた
保健の先生と話しているうちにこの先生はあなたの
事を理解している大人だとわかった。
だから私は質問した
先生は、そうやな〜って少し考えて。
「私やったら起きた時居場所がある事やな」
「居場所無かったら、また同じ事の繰り返しや」
正しくその通り。
先生は微笑んで
「行ってらっしゃい。」
と言ってくれた
走った。
体育館へ。
1番伝えなきゃいけないのは北さん。
そして治、侑、倫太郎
息を整えて
練習中こんな大きな声出されたらそらビックリする
他の部員は なんや?なんや?と慌てとる
4人は私の目の前に。
私は横に首を振る
きっと治と倫太郎は話の流れが理解出来とらん。
とりあえず、倒れた事、自傷行為をしとる事を伝えた
そうやな。そうゆう顔なるよな、私も同じや……
"起きた時に居場所がある事や"
凪ちゃんから貰った、佐倉琴葉と従兄弟のline文。
どうやって手に入れたんか分からん。
このline文を見せたら、あなたの事全てを知る
北さんの目は本気やった。
あなたは言うとった。いつか話さないといけないと。
あなたの居場所が出来るんやったら私はあなたに嫌われてもええ。
救えるなら恨まれてもええねん。
あなた、受け止めてくれる人はちゃんと居るんやで
だから、安心して目ぇ覚ましてな。
スマホを渡し、ゆっくりじっくり読んどった
この時間だけは凄く長く感じた
そして北さんの目からは涙が
流れていた___
倫太郎から予想外の言葉。
その通り過ぎて、涙が出た
私たちが体育館外で会話をしていると
「宮くん達少しいい?」
「あなたちゃんのお父さんから連絡きて話しとったら宮さんって言う双子の息子が居る人にあなたちゃん預けて欲しいって」
「あなたちゃんのお母さんと宮くん達のお母さん親友だったらしいんよ。一応宮くん達のお母さんには連絡しといた」
あなたの着替えは女として私がまとめようと
家に向かっとるんはええんやけど
この人は多分いつかあなたの彼氏になる人や
多分。勘や
あなたは治と侑に任せて、鍵だけ持ってきた
ガチャッ
綺麗なまんまや。
きっと北さんなら許すであろう
ガチャッ
あなたの部屋へ。
この前泊まりに来た時とは大違い……
あっちこっちに薬のゴミが散乱してる
きっと北さんは辛いはず
好きな子がこんななるまで苦しむなんて。
友達の私でも息が詰まるぐらい苦しい。
治と侑の家へ行き、着替えを渡しあなたの眠る顔を
見て帰った。
私たちはあなたの居場所を作った。
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編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!