この景色どっかで見た。
あ、でもこの前とは真逆の真っ白い世界。
今までの幸せな思い出が流れている
それを全て私は自分自身で壊したんだと再確認した
「どうしてここにいるの。」
あ、この声は……あれ誰だっけ…思い出せない
「だめよ。帰りなさい」
帰り方がわからない。
どうしてここにいるのかも。
「本当に困った子ね」
姿がうっすら見えるけれど、顔は見えない
貴方は誰…
「来なさい。ここにいてはダメよ。」
そう言って優しそうな女性は私の手を引いた
「貴方は責められるべき人間では無い
責められるべき人間は他にいる」
責められるべき人間?
何を言ってるの…?
私って誰だったっけ。
「大丈夫よ。あなたの事をちゃんと分かってくれる子はいるはず。」
あなた……って誰……
「お母さんはちゃんとあなたの事を見ていますよ」
女性が私の背中を押した途端渦に飲まれたような…
「もうここへ来てはダメよ。私の可愛い大事な子…」
心がスーーっと晴れる…そんな感覚に陥った。
_________________治side
放課後何やらツムの様子がよそよそしい。
愛佳の顔を伺っとる感じ。
愛佳と2人並んで会話しとる。
愛佳は「なんでもっと早く言ってくれんねん!」
なんか凄く怒った様子やった。
気になって話しかける
愛佳は酷く悲しい顔。そしてツムの顔は罪悪感その物
何の話や
愛佳が走り去ったあと。
ツムはその場でしゃがみ込んだ。
ツムからは想像出来ない言葉が返ってきた
ツムはあなたの "何か" を知ったらしい。
___________________愛佳side
侑からあなたが倒れた事を聞かされた
走った、走った……
あなたが大好きな大好きな彼。
北さんがもっとあなたの事見てくれたら…
違う私もやんか。人に言える立場じゃないやん
私らには知る権利がある。
あなたの過去に片足突っ込んどる状態。
もっと本当は支えたらなあかんかったのに。
ガラガラッ
「あら〜?どないしたん?」
「丁度今親御さんに連絡した所だったんよ」
「まだ薬が効いてるみたいで…」
私はあなたが眠ってるであろうベッドへ。
あなたは穏やかに眠っとる。
夢の中の方が居心地いいの分かっとるけど…
帰ってきて欲しいねん。お願いや……
___________________北side
何やらすんごい勢いで走っとる女の子が目の前におる。
注意したら「保健室まで付きおうてください。」
言われて着いて行ったのはええ。
なんであなたが保健室に?
「丁度親御さんに連絡した所だったんよ」
そう先生は言う。
そして薬の話もしとった。
なんの話や。
そう思っとったら愛佳ちゃんはベッドの方へ
そんな事を言うてる。
そのベッドへ向かうと、顔色は青ざめていて
でもどこかしら穏やかな表情のあなたが眠っとる
案外まだ冷静やった。
「お昼頃宮くんが抱えて連れて来たんよ」
昼…確かに俺はあなたと会話を。
その時のあなたは様子がおかしかった
そしてあなたの顔を見て思い出したんが…
あの時あなたから言われた言葉。
信じとるってあの時は伝えた。
けど、ほんまは治や侑とどんどん仲良うなってく
姿を見て不安で不安で仕方なかった。
いつの間にかあなたから目を逸らしとったんやな
今日もっとちゃんと話しとったらあなたを助けられたはずやのに。
▷▶︎▷▶︎NEXT
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。