第60話
精神安定剤
1週間ぶりの学校。
綺麗だった私の部屋には昔飲んでいた精神病院で
貰っていた薬が転がっている。
ご飯を食べては吐いて、飲み物を飲んでは吐いてを
繰り返していた
太ももにはいつ付けたかも分からない深い切り傷
絶対に異変はバレたくない。
傷ついてるのは私じゃなくて皆だ。
眠剤はまだ体内に残っているのかフワフワする
脳をちゃんと起こし、水だけ飲み家を出た
ガラガラッ
教室に入り、この前と変わらない日常
でも、愛佳だけは違った
あっ、やばい、呂律が…
悲しい顔しないでよ。私が悪いのに
「凪ちゃんって誰やねん」
「インスタでたった1人だけフォローされとる子やない?」
「なぎなぎって名前の子か……」
「それにしても、なんかやつれてない…?」
「なんか可哀想なってきた。」
そんな声がチラホラ
大きい声は私の頭痛に響いた
呂律がおかしくならないようにゆっくり話した
ドンッ
視界はグワンッと大きく揺れた
スカートが軽くめくれて、傷が顔を出した。
バッと隠す……
愛佳だけ居れば今はいい……
私の精神安定剤なのかもしれない。
_______________倫太郎side
あなたが倒れた瞬間、見てしまった。
太もも辺りの無数にあった深い傷を。
いや、もう壊れてしまっているかもしれない。
好きな子に本心で本当に思ってる?
本当は治だって、侑だって辛いんじゃないの。
食い気味で聞いてくる感じがまだ好きと物語ってる
嘘ついてもバレバレだよ。
一瞬不機嫌になった顔をしていた。
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愛佳とはちゃんと話して一緒に行動をしないと決めた
私のトラウマはきっと友達が傷付くこと。
そして友達の泣き顔だ。
そんな姿見たくないと言ったら分かったよ
と優しく受け止めてくれた。
お昼休憩、体育館横に座っていると
「あなた」
いつぶりだろう……
会いたくはなかった…。
あの女に情報を与えた貴方に……
愛佳が精神安定剤なら
北さんは精神を狂わす存在。
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