奏真「はぁはぁ…………まに、あった」
僕「うん」
結局、バスに乗って行く方が遅くなるかもという奏真の意見をきいて、走って来た
あと、5分遅かったらアウトだった。
僕「今回は奏真の意見きいて正解だったね」
奏真「お、おう!だけどよ、お前だけ自転車はおかしいだろ」
僕「僕は走るのが苦手なの」
奏真「もー。卑怯だぞ!」
僕「しるか」
奏真「だいたいな、お前がボケてるからだろ」
僕「意味わかんない。僕が悪いんじゃないくて時計が悪いんだよ」
池下楓斗「ほらほら、2人とも席つかないとホームルーム始まっちゃうよ」
楓斗がクラスの中心グループみたいなところから外れて話しかけてきた。
僕「おはよう。楓斗」
楓斗「おはよう。りおちゃん」
僕「ちゃん呼び嫌だって前も言ったじゃん」
楓斗「あれ?そうだっけ?まぁそんなことより席ついて」
僕「話しそらされた」
奏真「なんで、ふたりで盛り上がってんだよ」
僕「盛り上がってないし」
───ガラガラガラ
と教室の前のドアがあいた。
風見莉胡先生「は〜い。みなさん席についてくださーい」
風見先生の高くてとおる声が教室に響く。
僕も含めてみんなが話すのをやめて席へと戻る。
風見先生「おはようございます。明日から夏休みになります。今日は昨日と同様、夏休み前の三者面談があるため午前授業となります。この後、生徒集会があるので速やかに移動しましょう。」
ホームルームは終わり、みんな体育館へとぞろぞろと向かう。
こういうとき、だいたい行動が早いのはクラスの中心グループだ。
僕はああいうキャピキャピしてたり、まさに高校生活enjoyしてます!っていうグループに入るような勇気はない。
というかむいていない。
どちらかというと、楓斗や奏真はああいうグループにいても違和感はないだろう。
実際、楓斗は女子に人気ある天然王子様キャラだから、僕なんかと一緒にある方が違和感ある。
奏真は、明るい性格してるから絶対的に馴染めるだろう。ていうか馴染んでる。
それに比べて僕は………
楓斗「りお?早く行こうよ」
奏真「遅刻するぞー」
僕「あ、あぁ。うん。行こう」
僕はいい親友を持ったな
これも1つの青春なのかもしれない。
そう思う
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編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。