第287話
287話 1つの答え
午前0時
急にこの屋敷に1人だと思うと、
少し怖くなった。
1人で尚且つ、母親も居る。
逃げる気は無い。
でも、このままなのは嫌だった。
てか、もし助けに来てくれなかったら…?
私は一生このまま…
気分が落ち込むだけ。
助けに来てくれることを信じて待とう。
そう思った。
ピカッ
ドーン!!!
ピカッっと外が光り、
地面が揺れたような感覚と共に、
大きな落雷音が響いた。
そして……
パチッ
部屋が一瞬にして、真っ暗になった。
私は何もしていない。
停電だ。
とことんついてない。
ガチャ
懐中電灯を持った、
蘭さんが私の部屋に駆けつけてきてくれた。
外を見れば、台風の時並に降っている雨。
もはや、こんな中助けに来ないで欲しい、
と思うほど、雨が降っていた。
それから私と蘭さんは、
お母さんの異変について話し合っていた。
蘭さんが言うには、
・指示を出さない
・私を確認しない
特に変なのはその2つだそうだ。
私としても、
会いにこないのは変だと感じていたから、
同感した。
そんなことを話しながら、
気づけば1時間が経っていた。
外は雨が止み始めていて、
月明かりで少し明るくなってきていた。
そんな中、改めて蘭さんからの
意見も踏まえて考えた時、
1つ、答えが出た。
これが本当なのかは分からない…
でも、これなら全ての辻褄が合う。
でもだとしたら………
いや、考える前に確認しよう。
確認して、もし合ってたのなら、
その時に考えよう。
そう思っていた時……
「佐々木 琴未、至急東門に集合」
そして蘭さんは、部屋を出ていった。
そして私も、
蘭さんが置いていってくれた
懐中電灯を持って、
部屋を出た。
そして、お母さんの元へと走った。