その後私は、
紫耀との電話を切り、
我慢出来ずに吐いてしまった。
良いのか、悪いのかは分からないが、
それを気に、少し落ち着いた。
そして、おぼつかない足取りで、
何とか片付け、
リビングに居た時だった。
ガチャ
じゃあ何でリビングに向かって、
声をかけたのか、意味が分からないが、
私は「コクッ」と頷いた。
でも、岸くんが帰ってきたことで、
私は安心出来た。
自己完結してる岸くんが、
少し面白かった。
てか、誰から聞いたのかな?
とは思ったが、
それはすぐに分かった。
もう、岸くんの話を聞いていると、
本当に笑いが込み上げてくる。
さっきまで、あんなに苦しかったのに、
笑えるぐらいまで回復した。
それはやっぱり、岸くんのおかげ…?w
はっきり言って、
食欲が回復するほど、
元気にはなっていない。
そう言ってキッチンに行く岸くんに、
私はついて行った。
何となく、今1人になるのは嫌だった。
正直、立ってるのも辛いが、
でも、少し無理をしてでも、
1人になるのは、避けたかった。
それからも、岸くんの後ろを
ついて行っていると、
岸くんがこんなことを言い始めた。
岸くんの言ってる意味が、
私には、よく分からなかった。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!