さて、これからどうするか…?
今日のことで、
更におにぃに犯人を言うことは
出来なくなったし、
かと言って、このまま隠す訳にも…
そのうち私が壊れてしまう。
それに、今ヘタに動くと、
本当に殺されかけない。
ただ、問題はこれだけじゃない。
蘭さんのことも、
敵か味方かをハッキリさせないと、
凄く厄介だ。
これにプラスして、
マネージャーの仕事はもちろん、
もし女優の仕事まで入ってくるとなると…
とりあえず、蘭さんのことは、
おにぃ達に聞けば、まだ何か分かるかもしれない。
こんな生活を続けるのは、もう嫌だ。
でも、その反面、
これは長引きそうだ、と思っている自分もいた。
そのどっちが現実になるかと言ったら…
もちろん、長引くのだ。
その日、色々と疲れた私は、
マネージャーとしての仕事は休み、
そのままシェアハウスに帰った。
ガチャ
確かに、当たってる。
母親が生きていることが分かり、
その母親に、殺されかけたんだから。
おにぃは、断固として、
教えてくれなさそうだった。
嘘ついてるのは分かる。
でも、私も人のことを言える状況にはいない。
きっとおにぃも、私が隠し事をしてることには、
気がついてる。
でもおにぃ自身も、
私に隠し事をしてるから、
“言え”とは言えないのだろう。
私は、また泣いていた。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!