第234話

234話 その女性
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2020/09/20 05:18



海人side





昨日、俺は気づくとあの場所にいた。

















午後1時





ジンとの仕事が早めに終わり、

楽屋で帰る支度をしてた時だった。





スタッフさんに、

後で来るよう言われたんだ。













確かに、今考えれば、

見覚えのないスタッフさんだった。












でも、そんなこと、

あの時は微塵も考えはしなくて、

俺は1人で言われた場所に向かった。






















そしたら、そこには、

男の人が2人居た。











『どうしました?』




そう声をかけようとした直前、

俺は後ろから、

口と鼻を何かハンカチのようなもので塞がれ、

そのまま気絶していた。











恐らく、何か眠らせる薬のようなもの…






そんなものを嗅がされた気がする。






少し、ゴーヤのような、

苦い匂いがした。



















そして、目を覚ますと俺は、

あの山小屋の中で、

イスに拘束されていた。











そして、目の前のパソコンがついて、

画面に映っていた、

女性が喋りだした。










その時、俺はまだこの状況を、

全く理解していなかった。








女性
お目覚めになりました?
女性
髙橋海人くん
海人
海人
……?
海人
海人
何で、俺の名前…
女性
まぁ知ってますよ
女性
協定組んでたのもね…
海人
海人
!?




その言葉で、俺の中で、

色々と繋がった。







この人はきっとあなたを誘拐した人で、

あなたをおびき寄せる為に、

俺を誘拐したんだと…






それに、協定を組んでるのを知ってるなら、

きっと軽井沢旅行の時、

東雲 蘭が言っていた、

“敵に回しちゃいけない人物”








女性
悪いけど、少し私達の遊びに
付き合ってもらうわよ
海人
海人
………
海人
海人
あなたに…何かする気ですか…?
女性
………そのうち分かるわよ
女性
まぁ、紫耀くんみたいに、
余計なことは知らない方がいいかもね
海人
海人
…?



俺は、この言葉の意味を理解出来なかった。






女性
そのテーブルに置いてある物は、
自由に食べていいわよ
女性
安心して、毒なんか入ってないわ
海人
海人
………
女性
まぁ、早ければ明日には
迎えが来るわよ
女性
出れるかどうかは別として
海人
海人
………分かりました
女性
あと、逃げようとするのは辞めた方が身のためよ
女性
この周りは、
24時間見張られてるからね
女性
そんな行動は、無駄に体力使うだけよ
海人
海人
はい…





そして俺は、

この小屋で1晩を過ごすことになる。






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