第215話
215話 躓き
それから、私達はシェアハウスに戻ったが、
少し気まずくなってしまった…
まぁ、喧嘩じゃないだけ、
マシと思った方がいいのか…
学校で紫耀にそのことを話していた。
そして、あなたは何か、
腑に落ちない顔をして、
自分の席に戻っていった。
とはいえ、俺もあまり
人の心配をしてる場合じゃない。
この間、あなたのお母さんが、
直接俺に会いに来てから、
時々、誰かに付けられてる気がする。
あの人の言うことなら、
俺が囮に使われる。
その時、あなたが無茶しない訳ない。
それを初めから防ぐためには、
やはり俺が気をつけるしかない。
けど、相手はマフィア…
俺1人で、どこまで太刀打ちできるか…
後は……東雲 蘭だが…
期待は出来ない。
紫耀も少し、つまずいていた。
一方、やはりこっちも、
状況は、刻一刻と悪化している訳で…
気づいてはいた。
楓が、この人に協力していて、
よく会っていること。
“2度目はない”
そう言っても、楓は聞かなかった。
本当は、もう信じちゃいけないはずなんだけど、
どうしても、そうは出来ない。
私には、今の楓が何を考えているのか、
全く分からない…