第216話
216話 物事の始まりとは
あれから3日。
そんな、気まずいまま迎えた、
9月4日、金曜日。
母親の命日だと思っていた日が、
やってきた。
私は朝から、イライラしていた。
学校に来るなり、皆に怯えられていた。
いや、分かってるよ?
うん。きっと般若みたいな顔してるんでしょ?
でもさ、ねぇ?
死んだフリしてたんだよ?
しかも、何ならあの時も、
誰か知らない人を殺した訳でしょ?
いや、本当に許さない。
簡単に人殺していいわけ無いだろうが。
バーカ
なんて言ったら、
また殺されそうになるんだろうな〜…
なんて思いながら、
私は今日1日、
おにぃと一言も喋らなかった。
時は進み、12月。
あれから何の変化もなく、
ただ毎日、仕事と勉強で、
忙しなく過ごしている。
おにぃは進学を決め、
私はこのまま働くことに決めた。
仕事帰り、
車は他のメンバーを
迎えに行ってもらっていた為、
私は紫耀と2人で歩いていた。
物事の始まりとは、
些細な出来事で始まることが多い。
稀に、大きな出来事から始まることもあるが、
些細な出来事から始まった方が、
後に、その物事は大きくなっていく………
気がする。
そう分かっていながらも、
紫耀を置いてきてしまった私は、
一体、何を考えていたのだろうか……