第171話
171話 双子なのに
翌日
紫耀side
やはり、あなたは帰ってこなかった。
誰も言いはしないが、
恐らく全員、誘拐だと分かっている。
シェアハウスの空気は、
とてつもなく、重かった。
俺は、その廉の問に、
大体の検討はついていた。
いや、多分廉以外、
全員分かっている。
廉とあなたの大きな違いは、
犯人を知っているか、知っていないか…
2人は双子だ。
基本的には、同じ存在。
その中で、今この2人にある、
圧倒的な違いは、それだけ。
これを、今俺達で言ってしまえば、
あなたが、
こんな目に逢うことも無くなるかもしれない。
でも、あなたが自分の力で、
犯人を見つけて、
それを、あえて廉にも言っていないのに、
俺達が言うのはお門違いだ。
あくまでも、俺達は部外者だから。
廉side
双子なのに、こんなに違うのは何故なのか…
何であなたばっかり、
こんな目に遭ってしまうのか…
俺も、あなたが抱えているものを、
背負えたら…
徐々にあなたが、
俺から離れていく気がした。
遠く……凄い遠くに…
一方……
いや、実際に助かった訳ではないんだけど…
というのも、あの後刺されそうになった、
ギリギリのところで…
ガチャ
ということがあり、
私は1人、ここに監禁されたのであった。