第145話
145話 嘘
ルービックキューブ…
いつの日かに、
自分をルービックキューブに
当てはめた記憶がある。
この事件を解決するには、
6面全てを揃えなければいけない。
そして今、このルービックキューブは、
2面まで揃った。
犯人が分かり、おにぃの記憶も戻った…
となると、残りの4面は、
何が条件なのだろうか…
恐らく、そのうちの1面は、
おにぃに、犯人を教えること。
正直、1番簡単で今すぐにでも出来る事だ。
でも、それでおにぃが傷ついたら…
やっぱり言えない…
とはいい、それ以外に3面もある。
それの条件は何?
お母さんがお父さんを殺した理由が、
最後に分かるのだとしたら、
それまでに一体何があるというのだ。
さっぱり分からない。
思い出せない。
昨日の夜、そして今日の朝のこと。
気づいたら、
このシェアハウスのベットに居て…
まさか朝起きないで、
ここまで帰ってきた訳じゃないだろうし…
あぁ、嘘だ…
双子だもん。分かっちゃうよ…
でも言いたくないから、
言わないんだろうな…
っていうのも分かる。
私だって、犯人のこと隠してるし。
大切なことなら、
きっとそのうち言ってくれるだろう。
私はそう思い…
と返した。
が、後にこのことを後悔する。
あなたも、廉も、
そして、他の5人も…
今はまだ…何も知らない。