夜7時
ガチャ
あなたは、無事帰ってきた。
ただ、やっぱりどこか、
すぐに壊れてしまいそうな面影があって、
心配ではあった。
あなたside
大丈夫。大丈夫。
今、ここで壊れてしまったら、
全てが台無しになってしまう。
お母さんの思う壷だ。
ただでさえ、いつ殺されても
おかしくないような状況にいるんだ。
せめて、体調だけは整えて、
自己防衛しとかないと…
それに、5人にだって迷惑はかけられない。
これはあくまでも、私達双子の私情。
他人まで巻き込む訳にはいかない。
それは、犯人が分かった時に、
もう十分、分かった。
解決しよう。
私1人で。
そして、時が来たら、
その時には、おにぃにもしっかり言おう。
それが何年かかろうと…
そう、私は呑気にそんなことを考えていた。
刻一刻と迫ってくる、その恐怖に、
この時の私は、まだ気づけていなかった。
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編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。