第1話
1話 私達双子は
おにぃはそっけない。
おにぃ、おにぃってずっと呼んでるけど、
私達は、双子。
おにぃの方が、数秒産まれたのが早いんだ。
私達双子は、一卵性双生児だから、
顔はそっくりだし、
好きな物、嫌いな物も一緒。
性格も昔はそっくりだった。
私達双子は、7年前、小学4年生の時に、
何者かによって、父親が殺された。
そのショックからなのか、
母親は、その3日後、家で首吊り自殺をした。
私達双子は、両親の死体を見た。
父親は、血まみれで、
母親は、冷たく、動かなくなっていた。
どっちも、朝起きたら、
いきなり死んでいた。
父親が死んだ時、
私達双子は、泣いた。
私は、おにぃに抱きついて泣いた。
泣きやんだのは、2日後。
もう、目が乾ききっていた。
そして、3日目の朝、母親が死んでいた。
その時、私達双子は、
もう泣けなかった。
もう体内に、涙が無かった。
それから、私達双子は、
2人でアパートの一室に住んでいる。
幸い、お金は貯金があったらしく、
何とかなっている。
それに、おにぃはアイドルとして、
働いていて、
私も、アルバイトをしている。
でも、おにぃは、あれから変わってしまった。
私に、そっけなくなった。
笑ってる顔を見ることは、
もうしばらく無い。
そうして私達は、今、高校2年生だ。
午後8時
私は、そう言って、家を出ていった。