その後、私達はひとまず自分の部屋に戻り、
髪を乾かしたりして、
時間を過ごした。
その間、やはり気になるのは、
おにぃのことだった。
1時間ほどして、何事もなく、
ご飯の時間となった。
午後7時
その言葉の後、ふと横の海人を見ると、
コクッ
と頷き返してくれた。
その後、その料理はどんどん進んでいき、
着々と終わりに近づいていた。
その時だった。
バシャーン
使用人さんが運んできたスープを、
こぼしてしまったのだ。
それは案の定、私と海人にかかった。
私はそう言って、部屋を出た。
10歳からおにぃと2人きりだし、
私は知っていた。
熱いものがかかった時、
すぐにその服を脱がないと、
火傷跡が残ってしまう。
でもだからといって、
皆の前で脱ぐ訳にはいかないし…
そう言う使用人さんに、
“大丈夫です”と返した。
まずい…
いやでも、断る訳にも…
ダメだ…
行かざるを得ない。
わざとだったのか、偶然だったのか…
それは分からないが、
これまでに無い、拒絶反応に、
鳥肌が立つ。
やばい…
行っちゃダメだ…
そう分かっていたが、
私はその使用人さんについて行くことしか
出来なかった。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。