第291話
291話 背中
蘭side
誰かの為に、
どうしてここまでの事をしているのだろうか…?
そう思うほど、今の自分は、
正義感に満ち溢れていた。
人の為に、自分の仲間でもある、
組織の人間を倒し、
人の為に、誰かを信用し、
秘密の人間を明かした。
それは、廉くんの妹のあなたちゃんだったから?
条件があったから?
分からない。
何が私を動かしたのか、
全く分からない。
自分も全く無傷な訳じゃない。
1対3だもん。
殴られたり、蹴られたり、
痛いけど、
だけど………
今の私は、今までの人生で1番好き。
そう感じた。
ところで、私が今相手してんのが、
普段監視担当の3人だから、
恐らく使用人も追いに参加しているだろう。
だとしたら、40人は居るだろうか?
まぁいい。この後楓が来るだろう。
そしたら、私達は最強だ。
まぁあいにく、停電したおかげで、
ライト、監視カメラ、
電波までやられて、
電話は一切通じないけど、
楓ならきっと分かってくれるでしょ。
「信じてるからね、楓」
シュタッ
こんなやりとりも、いつぶりだろうか。
私の背中には、結局いつも、
楓が居ないといけなかったんだ。
私達は、その場の3人を気絶させ、
他の見張りの元へと向かった。
あなたside
合流するって言っても、
こんな広い屋敷の中のどこにいるかなんて、
流石に双子の妹でも分からないよ!?
双子の兄のことが分からなければ、
友達のことは、分かるわけないし…
マジでどこ!?
はい、そう思ってたら、
速攻見つかりました〜w
でも、よ〜く見れば、
岸くんの後ろには、
10人以上の鬼の形相をした人が、
追ってきていましたね〜…
やっぱ、とことんついてねぇな!
おいッ!!
そして私達7人は、合流した。