第162話
162話 立場逆転
まずい、また壊れかけた。
そんなことを思いながら、
息を吐く。
さっきは、紫耀が居てくれて、
本当に助かった。
仕事先での、こういう事は、
尚更嫌だったが、
あぁ言われてしまえば、
もう自分で制御も出来ない。
『明日、朝9時、いつものスタジオ』
行きたくない…
本当に殺されるんじゃないか…
そう思うと、嫌で嫌でしょうがない。
でも、行かない訳にもいかない。
おにぃが危険な目に遭うよりは、
何倍もマシだから。
翌日
廉side
最近、よく思う。
昔と立場が逆転したな〜って。
いや、基本的には変わらないけど、
いつも笑ってたあなたが、
今はほとんど笑わない。
笑っても作り笑いだし…
昔から、あなたは
作り笑いのことも多かったけど、
それでも、いつも楽しそうだった。
そんなあなたが、今は笑いもせず、
ただ毎日、苦しそうに生きてる。
まるで、昔の俺みたいだ。
結局、あなたが何を隠してるのかは、
さっぱり分からないけど、
聞いても教えてくれないというのは、
何となく分かってる。
いつまで待てばいいのか…
それも、俺には分からない。
午前9時
ガチャ
バタッ
私は気絶した。
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