第170話
170話 その不思議
それから、俺達は、
心当たりのある場所、
人から情報を得た場所、全て探した。
それでもあなたは見つからず、
気づけば時刻は、午後7時…
俺達は、1度シェアハウスに戻った。
途中で、玄樹から連絡が来たが、
この一体で、渋滞や事故は、
一切無かったという。
仕事のメンツは、
途中でシェアハウスに戻り、
仕事に向かった。
が、そうは言っても、
あなたは見つからないままだ。
恐らく、廉だけじゃなく、
他のメンバーも、気にしてはいるだろう。
そう言われると、
そうとしか思えなくなってしまう、
この不思議。
それは良くも悪くも、
人の考え方に、大きく影響を与える。
それが正解なのか、不正解なのか…
今の時点で、真実は分からないが、
この3人は確信していた。
これは“誘拐”だと。
そして、何より最初に考えたのは…
学校に来るのが遅くなっただけでも、
廉はかなり心配していた。
それが誘拐だと分かったら、
廉はどんな反応をする…?
まずい、まずい。
何をするか分からない。
でも、1日帰ってこなきゃ、
確実に全員分かる。
隠すのは、もうほぼ不可能に近いのだ。
あるとすれば、廉が帰ってくるまでの間で、
あなたが帰ってくること。
もしくは、俺ら3人で見つけて、
4人でここまで帰ってくること。
その2つしかない。
3人は、ただ双子の心配しか出来なかった。