それから私達は、
2人と合流して山を下り始めた。
海人がそう追いかけてくる人達に
文句を言い始めたが、
一向にこの追いかけっこが終わる気配は無かった。
私達も、1回降りただけで、
どれぐらいかまでは、
よく分かっていなかった。
とにかく、山の斜面が緩やかで良かったな、
と思うばかりだった。
それから、それぞれが何も言わず、
本気で逃げていた頃、
私は皆の後ろに居た。
女の私じゃあ、
この4人にはついて行けなかったのだ。
足の速さ、体力、
それらがやはり、男性に比べると、
劣っている。
そう思っていると、
案の定私は手を捕まれ、
そのまま捕まってしまった。
そのまま、声を出す暇もなく、
口も塞がれ、身動きが取れなくなった。
それに気づいてない4人は、
そのまま走って行ってしまい、
私は1人、捕まってしまったのだった。
4人がその事に気づいたのは、
山の麓まで降りた後のこと…
4人とも、山を下る以外にも、
敵を引き付けていた為、
他人を気にしているほど、
余裕は無かったのだ。
どこを見渡してもあなたは居ない。
それから俺らは、
少し心が痛かったが、
1度東京に戻ることにした。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。