無料ケータイ夢小説ならプリ小説 byGMO

第203話

203話 我慢してて



プルルルル プルルルル プルルルル…





丁度仕事が一段落して、

楽屋に戻ってきた時だった。



楽屋のテーブルの上に

置いてあったスマホから、

コール音が鳴り出した。




ディスプレイを見ると、

“あなた”という文字。



また、怖くなったのかな?

と思い、すぐに出た。








紫耀
紫耀
もしもし?
紫耀
紫耀
何かあった?
永瀬  You
永瀬 You
助…けて…ハァハァ
紫耀
紫耀
!?




その一言で、

向こうで何かあったんだと分かった。




あなたが、過呼吸を起こしている…




あなたのお母さんのことだ…







紫耀
紫耀
ひとまず落ち着いて
永瀬  You
永瀬 You
ハァハァハァ…
紫耀
紫耀
ゆっくり深呼吸だよ?




熱も出ているせいか、

いつもより呼吸が荒い。



そして、咳き込んでいる回数も多い。












とはいい、その本人が目の前に居ない以上、

正確な状況は、何も分からない。




あなたも喋れないようだし、

どうしたらいいのか…



永瀬  You
永瀬 You
殺…ハァされる…ゴホッ
紫耀
紫耀
何?怖い夢見た?
永瀬  You
永瀬 You
違う…ハァハァ
永瀬  You
永瀬 You
ゴホッゴホッ…
永瀬  You
永瀬 You
電…話…
紫耀
紫耀
電話…?




小さな声で、単語だけを喋ってる。



だから聞き取りにくかった。





でも、その単語から色々悟っていくと…








紫耀
紫耀
電話…って………まさか……
紫耀
紫耀
あなたのお母さんから……?
永瀬  You
永瀬 You
ハァハァそ…う…
紫耀
紫耀
はッ!?どうして!?
紫耀
紫耀
何て言われたの!?
永瀬  You
永瀬 You
ゴホッゴホッ…



あなたはまともに喋れる状況じゃない。




本当は、今すぐに助けてあげないといけない。












が、俺も今すぐは帰れない。



なんなら、まだかかる。







どうする…?






もうすぐ、Princeの3人の、

誰かは帰ってくるはずだ。



でもやっぱり、

あなたは言えないんだろうし…








永瀬  You
永瀬 You
早く…ハァ帰って…きてゴホッゴホッ
紫耀
紫耀
俺も…早く帰りたいんだけどさ……
スタッフ
平野さ〜ん?次の撮影入りま〜す
紫耀
紫耀
あっ、はい!今行きます!
永瀬  You
永瀬 You
ハァハァハァ…




あなたside



微かに聞こえた、そのスタッフの声に、

絶望を感じた。




まだ、紫耀は帰ってこない…



その間、1人でこの恐怖と苦しみに

怯えていなきゃいけないのかと思ったら、

いっその事死にたくなった。






紫耀
紫耀
あなた…まだ帰れそうにない…
紫耀
紫耀
多分、ジンか岸くんか玄樹が、
もうすぐ帰ってくるはずだけど…
紫耀
紫耀
出来だけ急いで終わらせるから、
少しだけ我慢してて
紫耀
紫耀
じゃあ、また後で



紫耀が電話の先で、

急いでるのが分かった。



でも、“我慢してて”という、

その言葉が、私には、

今もっとも辛い言葉だった。