第199話
199話 助けを求めて
そんな日々が続いたが、
ある日を境に、また状況が一変する。
そう、また今年もこの日がやってくるのだ。
8月25日。
“8年前”に、家族で海に行った日だ。
その日は、あなたが必ず熱を出す。
そして、この5日後、
父親は、母親に殺される。
そしてその3日後、母親は自殺した…
…………はずだった。
今年“も”
というには、今年は少し状況が違った。
1つ目は、
あなたは犯人の正体を
知っているのに対し、
廉は未だに分かっていないこと。
2つ目は、
例年より、風邪の症状がキツいこと。
少しして、コンコンというノックの後、
すぐに紫耀が入ってきた。
そして……
呆れながら、そう言ってきた。
紫耀side
泣きながら、そう訴えてきて、
一瞬で、
“あぁ…悪いこと言ったな”
って思った。
やっぱり、あなたが以上に働いてたのは、
お母さんのことを頭から、
無くす為で、わざとやってたことだったんだ。
それを、この熱で一気に思い出して、
情緒不安定になってるんだ。
でも、それを廉には言えないから、
わざわざ俺を呼び出して、
SOSを出したんだ。
あなたがちゃんと、
助けを求められるようになっただけでも、
大きな変化なんじゃないかな、
と俺は思った。
それが熱のせいだとしてもね。
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