あれから、1時間ほど経っただろうか?
あなたは、やっと寝付けたようだ。
ずっと苦しそうで、
しかも怯えながら泣いてるし、
俺もどうしたらいいのか分からず、
とりあえず手繋いで、頭を撫でてたけど…
これでいいのだろうか…?
まぁ、寝れたみたいだしいいのか。
てか、これじゃあまるで、
俺が彼氏みた………
お母さんじゃね?
でもあなたのお母さんは、
あんなんだったし…
あなたは、こうやって、
頭を撫でてもらったことあるのかな…?
疑問には思うけど、
それが聞けるほどの勇気は、
俺には無い。
というか、聞いたらダメだと思う。
ビックリするぐらい、ハッキリ喋るから、
起きたのかと思った。
けど、あなたは泣きながら寝てて、
そう言っていた。
そう思った。
何の夢かは、大体想像がつく。
あの監禁されてた時のことだろう。
あぁ言ってたのは聞こえなかったから、
思っていたことだろうか?
だとしたら、やっぱりあなたは、
思っていても、言えないんだ…
自分の気持ちを、言葉にするのが、
苦手なのだろうか?
ふと思った。
このまま、あなたが寝言で、
あの時のことを言い続けたら、
きっとバレてしまうだろう。
いや、流石に廉も、
こんなに高熱出して、
うなされてるあなたの
寝言で知るのも嫌だろう…
あなたの考えていることが分かった今、
あの無理のしすぎも、
仕方なかったのかもしれない。
考えていることが分かっても、
あなたの心の傷までは分からないから、
俺が出来るのは、
やっぱりあなたのサポートだけだ。
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編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。