第200話
200話 寝言
あれから、1時間ほど経っただろうか?
あなたは、やっと寝付けたようだ。
ずっと苦しそうで、
しかも怯えながら泣いてるし、
俺もどうしたらいいのか分からず、
とりあえず手繋いで、頭を撫でてたけど…
これでいいのだろうか…?
まぁ、寝れたみたいだしいいのか。
てか、これじゃあまるで、
俺が彼氏みた………
お母さんじゃね?
でもあなたのお母さんは、
あんなんだったし…
あなたは、こうやって、
頭を撫でてもらったことあるのかな…?
疑問には思うけど、
それが聞けるほどの勇気は、
俺には無い。
というか、聞いたらダメだと思う。
ビックリするぐらい、ハッキリ喋るから、
起きたのかと思った。
けど、あなたは泣きながら寝てて、
そう言っていた。
そう思った。
何の夢かは、大体想像がつく。
あの監禁されてた時のことだろう。
あぁ言ってたのは聞こえなかったから、
思っていたことだろうか?
だとしたら、やっぱりあなたは、
思っていても、言えないんだ…
自分の気持ちを、言葉にするのが、
苦手なのだろうか?
ふと思った。
このまま、あなたが寝言で、
あの時のことを言い続けたら、
きっとバレてしまうだろう。
いや、流石に廉も、
こんなに高熱出して、
うなされてるあなたの
寝言で知るのも嫌だろう…
あなたの考えていることが分かった今、
あの無理のしすぎも、
仕方なかったのかもしれない。
考えていることが分かっても、
あなたの心の傷までは分からないから、
俺が出来るのは、
やっぱりあなたのサポートだけだ。
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