おにぃに呼ばれ、
イスに座って、セットを見る。
そこには、女の子と男の子がいる。
そして、私達のところに、
監督がきて、そう言った。
そして監督は去っていって、
セットには、両親役の、
女優さんと俳優さん2人が入った。
監督の声と共に、
セットでは、子役の子と、
親役の人が、遊び始めた。
それこそ男の子は、お父さんとゲームして、
女の子は、お母さんとテレビを見て、
話している。
私もそうだった。
ドラマで何か起こる度に、
お母さんを呼んで、
「ほら!」と話しては、
ソファーの上で飛んで…
そういえば、1回転んで頭ぶつけたな…
テーブルの角にぶてけて、
本当に痛かったなw
と、思ってるうちに撮影は進んでいき、
父親が殺されている場面。
あまりにもリアルだった…
朝の7時ぐらいで、カーテンを開けず、
外からの明かりだけの、
少し薄暗い部屋。
その部屋で、ナイフが刺さった父親。
そこから出てる大量の血は、
血糊とか色水だって分かってるけど、
怖かった。
だって、私が7年前に見たのは、
本物の血だったから…
嫌だ…
咄嗟に拒絶反応が出た。
既に顔は伏せて、見ていなかったが、
セットから聞こえる、
女優さんの、必死に警察にの人に、
状況を説明してるのが聞こえて、
7年前のあの映像が、
鮮明に蘇る。
私は、過呼吸を起こしていた。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。