第277話
277話 1つしかない選択肢
優太side
東雲から、あぁ聞いた時、
もう今しかないと思った。
ここに来てから、早1週間以上。
ずっと2人でこっそり練ってきた、
この作戦。
あなたをどうやってここから、
無事に逃がすか…
出た結果は、やはり俺らが囮になること。
それ以外は無かった。
多少予定とは違うが、
大きな違いは無い。
まぁ、玄樹が、
『俺達も逃げる方法を考えている』
って言ったけど、
そんなの実際考えてないけどね…w
25日までの1週間で、考えるつもりだったし。
でも、それを言う気は俺も無かった。
そんなの言ったら、
あなたが行かないのは、目に見えていたから。
ジンが、あなたにあぁ行ったあと、
俺と玄樹は部屋の窓から外に出て、
全速力で外を走った。
案の定、見張りの奴らは着いてきて、
きっと3人が逃げる隙ぐらいは、作れただろう。
いや、作れていることを願う。
そして5分後、俺らは合流し、
そのまま捕まった。
ジンと海人は、何も言わず、
顔を背けていた。
あなたは一息ついた後…
終わらせよう。
この長い物語を。
約9年間の迷宮から、今脱出しよう。
ラストスパート、全力で駆け抜けよう。