第24話

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2020/04/01 04:00



何時だろう。


何も考えず出てしまった。


真っ暗であたりが見えない。



そんなに遠くにはきてないはずだけど



さすがに怖くなった。









屋敷に戻りたくなくとも


私の居場所はあそこだ。









もう戻るしかない。
















来た道を引き返そうと




歩き出すと







おい、女









後ろから声がし








恐る恐る振り返ると





鬼の姿があり
こんな夜に一人で歩くとは
俺らに喰ってくれって
言ってんのと同じだぜ?






そう一体の鬼が言うと




もう一体鬼が出てきて




鬼2
いい女じゃねぇか






ジュルリと音を立て




少しずつ近づいてくる








が、




恐怖で足がすくみ、逃げようにも


足が動かない。
じっくり味わいながら喰おう
すぐに喰うには勿体ない
鬼2
そうだな






鬼どうしが会話をしているのを


ただ聞くことしかできない。







死んでしまうのだろうか、

















当たり前か。









あれほど2人に夜は絶対に1人で出歩くなと


言われたのに



迂闊に出た私が悪い。









今頃二人は





あの女と……










そう考えると







死んでもいいかと思った。






どうせ2人にはあの女がいるのだから。











……そうだよね。









強ばっていた身体から




スっと力が抜け






その場に腰を抜かし、ドサッと倒れてしまった
逃げるのを諦めたか女
鬼2
いい判断だ
見るだけでも美しい女
喰うのが勿体ねぇな
鬼2
綺麗な女ほど喰わないといけないだろ










そんな気味悪い会話も





今じゃスっと耳を通り抜け

























鬼が私の目の前まで来て






喰らいつこうとしたとき











バッと強い風を感じ









その瞬間
フワッと私の体が宙に浮き
不死川 玄弥
不死川 玄弥
間に合ってよかった。
怪我ないか?










玄弥さんの脇に抱えられ


玄弥さんの顔を見るなり

涙が溢れてきて






あなた

……ッウ、

不死川 玄弥
不死川 玄弥
怖い思いさせてごめん







私が勝手に出てきただけなのに、




苦しそうに謝る玄弥さん
あなた

私こそ、す…みませ、ん







少し離れたところに着地し






鬼はもう既にこっちを向いていて
よくも俺らの女を
取ってくれたなぁぁ!!!!!!
鬼2
横取りすんなクソ餓鬼!!!!!!









そしてまたこっちへ飛びかかって
こようとしたとき








不死川 実弥
不死川 実弥
俺らの女だ
ふざけんじゃねェ







玄弥さんと私の前に



立つ、実弥さん。










気配を何も感じなかった。







これが鬼殺隊頂点に立つ


柱の凄さ、なのだろうか。










すると鬼が分裂を始め





数十体になり
不死川 実弥
不死川 実弥
玄弥ァ
絶対あなたから離れんな
不死川 玄弥
不死川 玄弥
わかってる









そして実弥さんは



鬼の群れへと突っ込み

次々と切り刻み



玄弥さんは

腕で私を包んでくれているまま


私に寄ってくる鬼を次々と撃った











ものの数分で


全鬼が消滅し





実弥さん玄弥さん共に無傷ですんだ。




もちろん私も、




























不死川 実弥
不死川 実弥
おい、あなた











こちらを向かず私の名を呼ぶ実弥さん
















あなた

…はい

不死川 実弥
不死川 実弥
今まで気づいてやれなくて
すまなかった










もう知ってしまったのだろうか。







2人な迷惑かけまいと

黙っていたこと。





すごく辛かった、けど






それでも2人のそばにいたかったから。
















不死川 実弥
不死川 実弥
変な噂を立てられ
辛かったろうに
1番大事な時に
気づいてやれなかった
不死川 実弥
不死川 実弥
俺たちが馬鹿だった。
もっと早く手打ちしてれば
お前が泣かなくてすんだのによォ
不死川 玄弥
不死川 玄弥
ごめんね、あなた






2人に謝られた時







……ふと甦った




あの光景








玄弥さんに抱き抱えられていたけど





そっと離れ
















不死川 玄弥
不死川 玄弥
あなた……?









小さくそう私の名前を呼ぶ






あなた

お二人は
私じゃなくても、よかったんじゃ……?








また涙がこぼれる





いつからこんなに泣くようになったのか






すぐに涙が溢れ出す






不死川 実弥
不死川 実弥
何言ってんだァ…お前
不死川 玄弥
不死川 玄弥
俺らはあなたじゃないとダメだよ
あなた

…だって……

あなた

だって、!!!!!!!!!!!!!!!!!!









すると


実弥さんが

あぁ〜……といい



頭を触りながら


私の方へと歩み寄り、目の前で


しゃがみ込んだ
不死川 実弥
不死川 実弥
あのクソ女によォ
薬盛られて
あの女をあなただと錯覚してて……
そのまま……
あなた

薬……?

不死川 玄弥
不死川 玄弥
媚薬だよ






媚薬を盛られたって……こと?
不死川 実弥
不死川 実弥
あなたの変な噂立てたのも
あなたに嫌がらせしたのも
全部あの女の仕業だァ。
不死川 実弥
不死川 実弥
だから
あいつがあなたに打たれたつって
俺に抱きついてきた時
あぁ、こいつが全部仕組んだのかって
分かって問いただそうとしたら
あなたがいなくなって
不死川 実弥
不死川 実弥
とりあえず女から話聞こうと
俺の部屋へ連れてったら
酒にその媚薬を盛られてたってことだ
不死川 実弥
不死川 実弥
俺が馬鹿だった
不死川 実弥
不死川 実弥
すまねぇ







そういい



私の頭を優しく撫でてくれ
あなた

あの女が良くて…
抱いたんじゃなくて……?

不死川 実弥
不死川 実弥
んなわけねぇだろぉが。
俺も玄弥も薬盛られて
あいつをあなただと思ってた。
だから女があなたの名前を呼んだ時
一瞬にして血の気が引いた
不死川 玄弥
不死川 玄弥
それから直ぐに
あなたを探しに来たんだよ。
本当にごめんね。
嫌な思いさせて…
俺らにはあなただけだから














あの女が媚薬を盛って




錯覚している2人と行為した、ってこと……だよね










2人は……




あの女に






騙されていたってこと……か。
あなた

ごめんなさい……
私勘違い…を

不死川 玄弥
不死川 玄弥
いやいや。
誰だってそう思うし
あなたが謝ることないよ。

俺らが迂闊だったから
不死川 実弥
不死川 実弥
本当にすまない。







そして2人から抱きしめられ








安堵からか再び涙がこぼれる
あなた

私……
お2人が大好き、です

不死川 実弥
不死川 実弥
俺もだァ
不死川 玄弥
不死川 玄弥
俺もだよ











そして



屋敷まで


玄弥さんがおぶってくれて。




無事屋敷へと着いた。






あなた

あの人……は?





中へはいるなり




靴がないことに気づき



そう問いかけると
不死川 実弥
不死川 実弥
あなたを傷つけるような奴なんざ
いらねぇから、帰らせた






そう当たり前のように言い



履物を脱ぎ中へと入っていった。







正直嬉しかった。











また3人で過ごせるから。






















そして











居間へと行き











ボーッと座っていると












急に後ろから抱きしめられ
不死川 実弥
不死川 実弥
あなた……
抱いていいかァ……
不死川 玄弥
不死川 玄弥
俺も抱きたい…ッ








さっきとは打って変わって




甘ったるい顔をした2人。















あなた

はい












そして私の言葉を最後に
















辺りが明るくなるまで








何度も抱かれ








何度も愛の言葉を浴びせられ








何度も愛に包まれた。













大きな体が2つ。









私を優しく包み








私を感じてくれている。














私だけの2人。













2人だけの私。















これからも永遠に3人で











幸せになりましょうね































あなた

実弥さん……ッ
玄弥さん……ッ





……愛してますッ

不死川 実弥
不死川 実弥
俺も愛してんぞォ……あなた
不死川 玄弥
不死川 玄弥
愛してるよ、あなた

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