第10話

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2020/03/31 04:42
あなた

ん……




鳥の鳴き声が朝を知らせる




もうすぐ実弥さんが帰ってくる時間…










朝ご飯の支度をする為

体を起こすと

まだスースーと寝息を立てながら眠っている


玄弥さん。







寝ている姿は何とも子どもらしく



他の隊士の人達は想像も出来ないだろうな……



こんな愛らしい顔をして眠っている玄弥さんなんて







玄弥さんを起こさぬよう



コソッと布団から出て





朝の準備を始める










そして朝ごはんを作っている途中に





扉が開く音がし


あなた

あ、おかえりなさい!!

不死川 実弥
不死川 実弥
おう




疲れているか少し虚ろな目をしていて





私が実弥さんの来ている羽織を受け取ろうと



近くに行くと



じっと見つめられ



フッと鼻で笑われた。




あなた

な、なにかおかしな所でも……?

不死川 実弥
不死川 実弥
いやァ……
なんでもねェ







口元は笑っているが


目は笑っていない……




え?


私なんか気に障ることをしてしまったのか。





まだ朝ごはんが出来てないから

機嫌が悪いのだろうか……




絶対そうだ……







私はすぐに羽織を掛け、朝ごはんを


猛スピードで作った。










そしてご飯が出来上がったと同時くらいに


玄弥さんが起きてきて
不死川 玄弥
不死川 玄弥
おはよぉ…あなた
あなた

あ、おはようございます!!!!!!

不死川 玄弥
不死川 玄弥
兄ちゃん帰ってたの?
不死川 実弥
不死川 実弥
さっきなァ…
あなた

ご飯出来ましたので
玄弥さんもどうぞ!






そういい机にご飯を並べ



2人ともが座り、食べ始めた。







私は台所で調理器具などを洗っていると
不死川 実弥
不死川 実弥
なぁ、玄弥ァ……
不死川 玄弥
不死川 玄弥
なに?
不死川 実弥
不死川 実弥
俺へのあてつけか?
不死川 玄弥
不死川 玄弥
……あぁ、バレた?
不死川 実弥
不死川 実弥
随分とやるようになったなァ
不死川 玄弥
不死川 玄弥
兄ちゃんに似たんかな?

そんな会話をしていて



なんの会話なんだろう……




主語がないためなんの会話かわからない。



ちらっと様子を見てみると


玄弥さんはニコニコしていて


実弥さんはさっきと同様

目が笑ってない。





少しピリッとした雰囲気を感じ




私もご飯を準備し



一緒に食べることにした
あなた

実弥!!
今日の味付けどうですか?

不死川 実弥
不死川 実弥
あぁ、美味い




それからご飯に向いていた目が


ゆっくりと私をとらえ



じーっと見つめられる……









ご飯が……食べにくい……
あなた

あ、あの……
実弥さん

不死川 実弥
不死川 実弥
なんだァ
あなた

なんか怒ってます……?







そう聞くと




いや、別に。と一言いい



またご飯を食べ始め
不死川 玄弥
不死川 玄弥
あなた
気にしすぎだよ!!
兄ちゃんいつもこんな感じじゃん!!!!!!




そういう玄弥さんは


満面の笑みで……



兄弟で表情の差が激しい……

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