この屋敷へ世話係としてきて半年が経つ。
兄の不死川実弥さん
弟で実弥さんの継子 不死川玄弥さん
私の一日は
朝にめっぽう弱い
このお二人を起こすことから始まる。
寝床の窓を開け
外の空気を入れる
少し冷たい風が入ってき
団子のように布団にくるまる実弥さん。
お、
やっぱり先に目覚めるのは玄弥さんだ
そういうと
伸びをし、起き上がり
私に抱きつく
身長も高いしガタイもいい方だから
スポッと埋まってしまう私。
いつも
威圧感満載なのに
起きて私に抱きついてくる時は
本当に子犬みたいで……
よし。
実弥さん、起こさなきゃ
そういうと
寝ぼけた顔でムクっと起き上がり
私に寄ってきて
そういい頭を大きな手でポンポンとしてくれて
これも毎朝のことで……
そういい
顔を洗いに向かった。
お布団を片して
私も居間へ向かうことにした
2人ともまだ目が覚めてないのか
ポケーっとしながらご飯を食べている
それから数分後
2人ともぺろりと食べてくれて
二人とも自分の食器を洗ってくれていた。
そういい
食器を取ろうとすると
ふいっと持っていた食器を
私が届かない高さまで手を挙げ
そういいニコッと笑った玄弥さん
思わずその笑顔に胸がキュッとなり
そういい不器用な言い方ながら優しい実弥さん。
本当にふたりは優しいお方で……
すぐに食器洗いは終わり
稽古の準備を始めたお二人。
あ、
私も準備しなきゃ。
稽古途中の休憩で取る
飲み物などを準備しようと立ち上がると
くるっと私の方へ振り返り、肩を掴まれ
そういやちゃんと2人の稽古を
見たこと無かったなぁ
楽しみッッ!!!!
そういいギューッと抱きしめられた
玄弥さんはどちらかというと
こういうスキンシップが多い。
全然嫌じゃない
むしろ、嬉しい……
すっぽり抱きしめられた時は
キュンとするし……
そう呼ばれ
玄弥さんの腕の隙間からちらっと見ると
腕を広げていて
玄弥さんの腕をスっとすり抜けて
ポスッと実弥さんの胸に顔を埋める
そう言われ
これまた大きな体にぎゅっと抱きしめられて……
そう言われ
実弥さんに抱きしめられたままの私の頭へ
軽くチョップをし庭へ向かった
そうニヤニヤしながらいう実弥さん
頭を上げ実弥さんの顔を見ると
ん? みたいな顔をしてて思わず
胸がギュンっとえぐられた感じがした
頭をポンポンっとされ
私も庭へ向かうことにした。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。