第64話

ため息
672
2020/06/11 12:51
ガチャッ


静かだった部屋に、ドアの音が響き、それと同時に、2人の男が入ってくる。
灰原哀
灰原哀
!?(もう来たの!?まだいい方法が見つかってないのに…)
ジン
ジン
…フン、もう起きてやがったか。
灰原哀
灰原哀
………(ジンのこの目…もう私の正体をほぼ確信してるわね…でも、最初は一応何も知らないフリを…)
灰原哀
灰原哀
……あなたは、誰なの?それに、ここはどこ?
ジン
ジン
………
ウォッカ
ウォッカ
………
質問をするも、それに対するに返事はなく、ただただ沈黙がながれる。


だが、灰原は少しもめげずに質問を続けた。
灰原哀
灰原哀
…どうして私は気づいたらここに捕まってたの?
灰原哀
灰原哀
……あと、私と一緒にいた江戸川君はどこにいるの?
灰原哀
灰原哀
…それに、何の目的で私達を?
…すると、5つ目の質問で目の色が変わった。
ジン
ジン
…うるせぇ。それぐらい、考えたら誰でも分かるだろ。
灰原哀
灰原哀
そうなの?私には分からないわ。
ジン
ジン
そうか、なら教えてやろう。
灰原哀
灰原哀
ええ、お願い。
ジン
ジン
…お前らを拷問して殺すためだ。まさか、こんなことも分からなくなったとは、、驚いたな。
ジンはそう言って、ギロリと灰原を睨みつけた。
灰原哀
灰原哀
………っ(まったく、この人は本当に容赦ない…!相手が何も知らない少女だったとしてもこんな口の聞き方をするのかしら…)
灰原哀
灰原哀
(…というか…まあ、期待はしてなかったけどやっぱり正体はばれてるわね…私はどうなってもいいけど、博士やあの子たちは…!)
灰原哀
灰原哀
……じゃあ私はこれからあなた達に拷問されるのね?
ジン
ジン
いや、もうその必要はなくなった。だが…自らお望みのようならそうしてやろうじゃないか。
そう言うと、いままでドアの前にいたジンが部屋の奥で手枷をはめられている灰原に近づいて来る。
灰原哀
灰原哀
!!(余計なことを言ったわね…まあ、こうなった以上、何をされたって驚かないわ。)
灰原哀
灰原哀
(それに、この2人の足止めが出来るなら、仕方ないわね。)
ジン
ジン
…久しぶりだな、シェ…
だが、もう目の前まで来ていたジンがそう言いかけたその時、着信音が鳴った。
ジン
ジン
チッ…電話か。
ジン
ジン
ウォッカ、行くぞ。交渉は後だ。先にもう1人を見に行っておけ。
ウォッカ
ウォッカ
了解でやす。
2人はそう短い会話を終えると、灰原の方は見向きもせずに部屋を出て行った。
部屋にいるのが自分だけになり、少し緊張がほぐれた灰原だったが…




その胸の内は、不安で張り裂けそうで__
灰原哀
灰原哀
ふぅ……
その後に、ふとこぼれたため息は安堵からのものだったのか、不安からのものだったのか、それは自分でも分からなかった、、、
作者
作者
今回はここまでです!読んでくださり、ありがとうございました!!

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