研磨said



お昼休み





今日も桜庭さんは来なかった。



きっと今も苦しんでいるのだろう。




テストが近いので、クロに、ゲームを控えろって言われてしまった。





確かにこの状態じゃ、ろくに集中できないと思い、ゲームを控えることにした。






狐爪「クロ～、ゲームしたい。」



絶賛俺の家でクロと勉強中。


クロは、俺がゲームをやらないか見張りに来たらしいけど、やっぱり、いつもやっていることをいきなりのやらなくなるのは、難しい。



黒尾「決めたことだろ、頑張れよー研磨さん。」


そんなこと言ったって、



黒尾「てかさ、その、桜庭さん？ってテスト受けられんの？」



クロには、桜庭さんの事を話していた。


狐爪「分かんない。今の状態じゃ、テストは受けられても、いい結果になるかは別って感じ。」


クロは、「ふーん」だけ言って、手を動かした。
























黒尾「おまえらって、すれ違ってんの？」


勉強していたクロが、いきなりのそう言い始めた。



すれ違ってるって？


狐爪「どういうこと？」



黒尾「いやぁ？」


鼻につく言い方で言ってきた。


ムカつく。



少々ムカついたので、クロのシャーペンと勉強道具を全てとった。




黒尾「研磨さん？」

狐爪「教えてくれなきゃ返さない。」



はぁ、とため息をついて、話し始めた。



黒尾「だってそうだろ、どう考えたって、どっちかが聞きたいことがあったりしたときに限ってなんかあるじゃん！」



言われてみればそうだけど、



狐爪「でもそれで、すれ違ってるって事にはならない。」


黒尾「そうなんだけどねっ、そう感じるのよ！」


なんでいきなりオネエ口調？



黒尾「このままだと、ずっとそのままだぞ？」



よく考えてみれば、別にこのままでも言い気がする。


だって、ゲームで知り合っただけだし、中の人の正体なんて分からなくったっていい。

ずっとそうしてきた。たまたまフレンドになった人が、学校にいたかもしれないってだけだ。




だったら、もうどうでも良い気がする。



いつか会ったらその時で、



今はゲームでいい。







狐爪「良いよ。このままでも。」


クロは、しばらく俺を見て、また、はぁ、とため息をついて、シャーペンを動かし始めた