ここかな？



普通の住宅街。普通の家。



ﾋﾟﾝﾎﾟｰﾝ





返答がない。
居ないのかな。











ｶﾞﾀｶﾞﾀガタンッ


ﾋﾞｸｯ



何事？

中から、何かが落ちたようなそんな音がした。




？〈＿＿は...い？〉


精いっぱい出したような声だった。



狐爪「狐爪です。話したいことがあって、それと、連絡ファイルを届けに来ました。」



こちらも、学級委員長に使った勇気をもう一度振り絞って出した声だった。









？〈＿＿＿＿＿＿＿＿どうぞ、っ入って下さい。〉


苦しそう？



玄関のドアを開けると、目の前に桜庭さんが倒れてた。






狐爪「______！！！桜庭さん！」


肩を叩くと閉じていた瞳がゆっくりと開いた。




あなた『狐爪さん？』


確かに具合が悪そうだ。



狐爪「部屋に運ぶよ？」



そう言って、桜庭さんを持ち上げた。



軽い。細い。


これ、ご飯食べられてるのかな。

俺でも持ち上げられるって相当軽い。


2階に上がりあなたと書かれたボードがドアに掛かっている部屋に入った。










汚い。




その言葉が当たってるような感じだ。




でも、道となっているところだけにゴミが集中しているとすると、



頑張って下まで来てくれたことが伺える。





ベットに桜庭さんを寝かせて、目の前にあるゴミだけ片して置いた。



この状態の桜庭さんを見ると心が痛くなる。




苦しそうな顔、

青白い顔色、

部屋の床には、何種類もの薬、

精いっぱい出したような声。





この状態をあの学級委員長が見たらどうなるか、知ったもんじゃない。








俺で良かったかも？


複雑な心情だった。





狐爪「桜庭さん、起きてたら、首振ったりしてね、」




すると、かすかに、遠くから見たら絶対に分からないような小さな動きだったが、近くから見ていた俺には、確かに頷いているように見えた。



狐爪「何か、食べる？」


苦しそうな顔で、首を横に振った。


食欲がないのかな？


でも、この体では危険すぎる。



狐爪「お腹、空いてないの？」



すると、弱々し手で、勉強机を指差した。







紙？


スタンドのライトを付けると、

〈やること〉と書いてあった。


やること？

字形は桜庭さんのものではなく、達筆だった。


お医者さんの字かな？




見ていくと、


“お腹が空いたとき”


と書かれた欄があった。


お腹が空いたときはゼリー状の簡単に服用できるのもを食べよう。


そう書かれていた。








ゼリー状のもの？



一応かっておいた飲むゼリーでいいかな。



桜庭さんを起こして、ゼリーの袋を潰しながら桜庭さんが飲みやすいように最善を尽くす。






桜庭さんがゆっくり飲んで、飲みきった時に体制が疲れたのか、ベットに横たわり寝てしまった。








これじゃ、なにも話せない。



ベットの上の縁の部分にスマホが置いてあったので、申し訳ないと思いながら拝見した。


充電は100パーセント、

通知は、俺（apple）が送ったメッセージがあった。


見てないと言うことは、その時から体調が悪かった。



悪いことをしたかもしれない。


人がこんなに大変な状況でこんなメッセージ送って、





狐爪「ごめんね。　　　　










俺が　　











































appleだよ。」




そう、寝ている彼女に向かって言って帰った。







次会ったとき、きちんと言えるようにしておこう。