ーーー放課後。
僕たちは莉犬くんたちと途中まで6人で一緒に帰るため、別々に帰るようにしている。
3人で一緒の家に住んでることは秘密。
だから、1人1人帰るようにしてるんだ。
「今日のご飯はハンバーグだぞ〜」
「やったー!さとみくんのハンバーグ大好きなんだよね〜〜」
「ころちゃん、先に手を洗ってくださいよ!」
「へ〜い」
僕たちのルールで、1番についた人が晩御飯、2番についた人が風呂掃除、3番がトイレ掃除と決まっている。今日僕は3番目だったようだ。
ぱぱっと手慣れたトイレ掃除をすると、2人が待つリビングへ向かう。僕の道は1番遠いから、だいたい2番目か3番目なんだよね。
ほんと考えられてるよね、これ………。
「「「いただきまーす」」」
夜ご飯を食べながら、僕たちは他の人たちから見たら一風変わった話をする。
「今日の作戦は?」
「いつも通り」
「探偵たちは?」
「たぶんここ」
「うっわ、発信機……るぅとくんいつの間に」
「まぁやることはやんないとですよね。そのためにわざわざ、帰り道を人通り多いところにしたんですから」
「じゃあ、またいつもの時間にな」
「「了解」」
そう話すと3人は自室に行く。準備のために。
それから2時間ほど。
「はい、持ったな?じゃあ今から俺たちは、」
「『怪盗Sounds』だ」
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!