ころんside
ここは、私立苺乃丘学園の1年5組の教室。
先生が今日の授業は終わりだ、と早めに告げたため僕は片付けながら次は昼休みか、とぼんやり考えていた。
♫キーンコーンカーンコーン♬
「なぁ!みんな見てや!今日また『Sounds』から予告状が届いたんよ〜!」
そう言って昼休みの開始を告げるチャイムが鳴った瞬間こっちに駆け込んでくるジェルに、僕はひっそり口角をあげた。
それは、僕が昨日考えて書いたもの。
それを今目の前で見てると思うと滑稽だ。
「どんなやつ?」
そう会話を促しながら、ジェルくんたちは今日どうするのかでも聞くか。
「えーと、……いや見たほうが早いな。これや」
バン、と机の上に置かれた予告状を見る。
『 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
塩が吹きかけられた特別な塩をいただきに
まいります。
月が綺麗な晩にお会いしましょう。
怪盗Sounds』
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。