無料ケータイ夢小説ならプリ小説 byGMO

第4話

~4話~
ピーンポーン
田中雅功
田中雅功
はーい。どちら様でしょうか~
あなた

雅功さん!匿って!!

あれから1ヶ月ほどが経ち、雅功さんとは、オススメの小説を貸しあったりする仲になっていった。
ちょくちょく雅功さんの部屋に遊びに行っては物語の考察を話しあったりもした。
田中雅功
田中雅功
え、あなたちゃん!?ちょっ。匿うって?
あなた

お願い!雅功さんしか頼れる人がいないの!

戸惑う雅功さんをよそに、半ば強引に部屋に入る。
雅功さんが住む301号室は私の部屋の間取りと大体一緒だ。
靴を脱ぎ、廊下を抜け扉を開けるとワンルームの部屋がある。
私の部屋にある本棚よりも大きい本棚に、小説がぎっしり詰め込まれている。
私は部屋の座椅子に座り、持ってきた小説を読み始める。
あなた

雅功さん、今、志賀直哉の『暗夜行路』読んでるんですけど、読み終わったら貸しますね!

冷蔵庫からお茶を取り出し、コップに入れながら雅功さんはため息をつく。
田中雅功
田中雅功
貸してくれるのは嬉しいしありがたいけど、とつぜん匿って欲しいだなんてどうしたのさ。
あなた

いやぁ。まぁ。色々あって…。

コップに入ったお茶を一口飲んで雅功さんの顔色を伺う。
田中雅功
田中雅功
まぁ、言いたくないなら深追いはしないけど、どうしても大変だったら相談するんだよ?
あなた

はい…。ごめんなさい。

雅功さんは、うん。と頷くとパソコンを取り出し、大学のレポートを書き始めた。
しばらくして、部屋に着信音が鳴り響く。
田中雅功
田中雅功
あ、俺の携帯じゃないな。あなたちゃんのじゃない?
わかっている。
この着信音は私の携帯から鳴っている。
私は拒否と書いてある部分をタップして着信音を消す。
田中雅功
田中雅功
あれ、電話出なくて良かったの?
雅功さんが不思議そうにこちらをみる。
あなた

あ、間違い電話だったんで大丈夫です!すみません!レポートの邪魔しちゃって!

大丈夫だよ〜。と返事をして雅功さんはまたパソコンに向き合った。
と、思った矢先。
再び着信音が部屋に鳴り響く。
やばい!と思い拒否をタップするが、私が携帯を持つよりも先に雅功さんが振り返ってしまった。
田中雅功
田中雅功
今のって…。お母さんって書いてあったよね?出なくて良いの?
雅功さんは怪訝な顔をして聞く。
あなた

いや、本当に大丈夫です。

田中雅功
田中雅功
大丈夫じゃないでしょ?電話、出たくないの?
それからしばらく、
301号室に無音の時間がただただ流れる。
そしてまた、お母さんから電話がかかってくる。
私はまた拒否をタップして無言の空間に身を置く。
5分くらいして、雅功さんが口を開く。
田中雅功
田中雅功
あなたちゃん、今日どうしたの?急に来て匿ってって言い出したかと思えばお母さんからの電話には頑なに出ないし。
雅功さんはお茶を飲み干して私に体ごと向き直る。
田中雅功
田中雅功
もし何か悩んでいることがあって、辛いなら話してごらん。俺しか頼れる人がいないって、さっき言ってたでしょ?
このことを話すのには勇気が必要だった。
信頼できる人にしかできないし、今までそんな人は存在しないと思っていた。
だけど、小説を通じて雅功さんと話すうちに、この人の言葉には嘘がないと思えるようになってきて、今では誰よりも信頼したいと思える存在だ。
あなた

あの、うまく話せるかわかんないですけど…。

雅功さんは微笑んで言う。
田中雅功
田中雅功
大丈夫。うまく話せるかどうかなんて重要じゃないし、小説を読みあさってる僕らなら意思の疎通は完璧だよ。お兄さん、今日は学校も仕事も何にもないから時間はたっぷりあるよ。ゆっくり話してごらん。
雅功さんは自分と私のコップにお茶を注ぎながらそう言った。