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第9話

~9話~
田中雅功
田中雅功
あなた……ちゃん!生姜いる?
キッチンから雅功さんの声が聞こえる。
あなた

欲しいです!

雅功さんは
田中雅功
田中雅功
5月にしてはちょっと早いけどね~。
と、そうめんを出してくれた。
田中雅功
田中雅功
そういえば、匿ってくれっていってたけどあれなんだったの?
あなた

あぁ。今、私の部屋にお母さんがいるんです。

田中雅功
田中雅功
ゲホッゲホッ!!
雅功さんはお茶をぐっと飲み込み、息を整える。
田中雅功
田中雅功
え!いま!?
あなた

はい。今朝、急に行きます~ってメールが。私が部屋に来てすぐに電話がかかってきたじゃないですか。あの時に部屋に着いたんだと思います。私と入れ違いですね。

雅功さんはそれを聞いて腕を組む。
田中雅功
田中雅功
そうか。それなら、これ食べ終わったら話に行こっか。
あなた

え!いや、まだ心の準備が……。

田中雅功
田中雅功
心の準備をしながら食べれば良い!
そうめんを食べ終えた私は雅功さんにお礼を言い、部屋を出た。
302号室へ行こうとする私に、雅功さんは
田中雅功
田中雅功
自分がやりたいことを、言いたいことを言えばいい。あなたちゃんなら大丈夫だよ。
そう言った。
もう大丈夫だ。
私は深呼吸をして、302号室の扉を開ける。
靴を脱いで廊下を歩くと
お母さん
あなた?
奥の部屋から声が聞こえてきた。
リビングの扉を開けると、お母さんが洗濯物を畳んでいた。
あなた

お母さん、おったんや。

私は白々しく言う。
お母さん
おったんや、ちゃうよ。なんで電話にでえへんの?
あなた

ごめん。

お母さんは、はぁ。とため息をつく。
お母さん
せやけど良かったわ。部屋、思ったより綺麗にしてるんやな。洗濯物畳むくらいしかやることなかったわ。
ふふっと笑うお母さんに、私は目で訴えかける。
「話を聞いてくれる?」
と。
お母さんは、私の目を見て答える。
お母さん
まずは手洗ってき。
私は手を洗った後、またお母さんに向き直った。
お母さん
お母さん、いい加減ちゃんとあなたと話そうと思ってね。
あなた

うん。私も。ちゃんと話したいし、聞きたい。

なかなか、お母さんと目が合わせられない。
あなた

お母さんは、なんで再婚なんかしようと思ったん?3人で生きていこうねって言うてたのに。

お母さんと話すのが久しぶりすぎて、どんな風に話していたか思い出せない。
こんな感じだったっけ。
お母さん
正直言うとな、3人だけで暮らしてた時の生活に余裕が無くなってきたって言うのも理由の1つやねん。
あなた

分かってたよ。こっち来てから、秋穂がメールくれて、そこに書いてあったわ。『お母さんは私達の為にも再婚したんやと思う』って。でもそれが余計苦しくて辛くて。じゃあ尚更、なんであの時3人で生きていこうねって言ったんやろって。お母さんはなんであの時、嘘をついたんやろって。

妹の秋穂は、いつも私を、お母さんを心配していて、
東京に来てからもかなりの頻度でメールをくれた。
お母さん
うん。ごめんね。私も最初は男の人なんて2度と信じるかって思っててん。でも和彦さんと接してるうちに、あぁ、信じてもええのかも。この人ならあなた達も大丈夫かもってだんだん思えてきて。お母さん、あの現状を変えたくて1人で何でもかんでも決めすぎたわ。ごめんね。
お母さんは多分、ずっと私の顔を見て話してる。
お母さんは強い人だ。
本当は分かってる。
お母さんが私達を裏切ろうとしたんじゃなくて、私達の為を思っていたこと。
私たちに再婚のことを話したら絶対に止められるから、娘に嫌われるのも覚悟で、私達の生活を守ってくれたこと。
現に、今私が東京で生活できているのも、お母さんからの仕送りのおかげだ。
でも、3人で生きていこうねって言ったのに1人だけで頑張るお母さんを見るのが本当に辛かったんだ。