雅功さんは私に小説を差し出す。
すると雅功さんは、まるで推理小説の種明かしを読んだようなリアクションをとる。
雅功さんって、ほんとにすごい。
私は今日1日、何が起きたのかを雅功さんに話した。
同級生と喧嘩してしまったこと。
そして、彪我さんに思わず酷いことを言ってしまったこと。
流石に告白してしまったことは言えなかったけど。
雅功さんは顎に手をあて、少し考える。
雅功さんから、予想外の回答がきて、ビックリしてしまう。
確かに。
反省しているところはある。
雅功さんはいつも、どうすれば上手くいくか分かっているようだ。
雅功さんとこうやって話すのって、何回目だろう。
雅功さんの言葉を聞く回数が増える度、より理解できるようになっている気がする。
感情的になりすぎたんだ。
怒りが心から溢れかえってしまって、冷静に相手のことを知ろうと思えなかった。
そう言って雅功さんは、またもや強引に私の手を引っ張って彪我さんの部屋の前に連れていった。
ピンポーン
彪我さんが出てくる。
雅功さんは一呼吸おいた後、
話をし始める。
雅功さんは私の背中を押す。
彪我さんはニコッと笑って、
そう言った。
雅功さんは彪我さんと
このまま打ち合わせをするらしく、彪我さんの部屋に残るみたいだ。
私が
とお礼を言って去ろうとした時、雅功さんは、
とだけ言い残した。
はい。
私も明日、ちゃんと話せるように頑張ります。
そして
ことはちゃんに
明日会って話したいと、メールを送った。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!
転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。