第53話
伍拾伍の巻~長き戦い~
~あなたside~
鬼はニタニタと笑いながら私を見つめる。
私は睨みかえす。
鬼はチッと舌打ちをした。
私は地面を踏んだ。
周りから植物がはえてくる。
鬼はチッとまた舌打ちをする。
その言葉を放った瞬間、空気が変わった。
哀しみと嫉妬のオーラ。
それが、たちのぼっていた。
鬼がそう言うと、急に地面が動き始めた。
いや、揺れてる………?
私は地面に刀をさす。
この前と同じように、あの技が効けば………!
樹木は根を張った。
そして、相手の足元からニョキッとその根が出てくる。
相手の足に巻きついた。
樹木は、足に巻きつき力強く締め付ける。
だんだん私自身の体力も身についた。
そして、私はある程度痛め付けた所で刀を地面から解放した。
鬼はだんだん言葉も喋れなくなっていた。
良い感じ!
私は自分で自分の事を拍手した。
私は鬼に背を向けた。
でも、それが間違いだった。
私は見事に………
腹をさされてしまった。
~カナヲside~
鬼は私たちより遥かに強い。
それは、あの鬼から物語っていた。
鬼は私たちの方に近づく。
その足音がとても不気味。
私は刀を構える。
私だって、あなたちゃんほどでは無いかもしれないけれど、しっかり努力はした。
私だって………できるっ!
急に不思議と青色の炎が地面を覆った。
私は思わず鬼から距離をとる。
なにこれ………!?
炭治郎は大きく飛んで相手に斬りかかった。
だけど、鬼は避けてしまう。
私の怒りは一気にピークに達した。
私は相手をにらみつける。
私は息を出しきった。
鬼はポケーッとしている。
そして、なぜかハハッと笑った。
私は「え?」としか言うことができなかった。
私って出来損ない………なの?
なら、どうすれば良いの?
出来損ないって………。
その言葉も何もかも、安心させるためだろうけれど、綺麗事にしか聞こえなかった。
なにそれ。
私の気持ちも知らないでそんな事言わないでよ。
もう、この世の中なんて………
ドウデモイイ。
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