第48話
伍拾の巻~蝶屋敷~
~あなたside~
私たちは暗がりの道を歩きながら蝶屋敷へ向かう。
すると、突然、蝶屋敷から悲鳴が聞こえた。
………もしかして!
蜜璃ちゃんは刀を持ち相手を睨み付けていた。
伊黒さんは、蜜璃ちゃんに背中を預ける形で戦っている。
私の声に反応した鬼はニヤッと笑った。
何これ……。
周りには散らかったガラスの破片。
相手はニヤッと笑っている。
許せない……。
私とカナヲの師範の………形見なのに………ッ!
私はカッと目を見開いた。
カナヲも怒りでみちあふれている。
私とカナヲは一緒に刀をとった。
私は前を向いた。
たぶん、あの人たちは、下弦の鬼。
でも、蜜璃ちゃんと伊黒さんが苦戦しているのが気になる。
うん?
もしかして………。
机の上にあるのは私が飲んでいる飲み物。
これはしのぶさんが私のために特別に作ってくれた飲み物。
これを飲めば私は元気になる。
でも、違う人が飲むと体力は極限まで落ちる。効果は一時間だけど……。
蜜璃ちゃんは目を離した。
その隙に鬼が蜜璃ちゃんに向かって突進していく。
私は鬼の腕を斬った。
鬼はなっと私を見る。
そして、確かめたら、なぜか恐怖で震え始めた。
姉鬼は、手をつき出して手を開きギュッと握る。
弟の方は辛そうに首をさわる。
鬼は私たちに襲いかかってきた。