あたしは早苗に電話をして説明した。
早苗との電話を切ると
左馬刻さんからのメッセージと着信音がたくさんあった。
『悪かった』とか『どこにいる』とか沢山あった。
でも正直ここ…
どこだ…??
怖いなぁ……
あぁ、左馬刻さんはあたしが1人になるのがとても心配なんだ。
行ったことのない場所で1人になるのは
いつも左馬刻さんは心配するから。
恋人だから……
あたしの立場だったら、あたしも同じかもしれない。
ほら、左馬刻さんって他の女性とも関わりあるから…
あたしも結構不安になる…
言葉にしてないだけで…
prrrrrr
左馬刻さんは息を切らしながらもあたしを探している。
そんな感じが電話でもわかる。
あたしは少し泣いていた。
あたしは電話で、左馬刻さんの好きなところに夢中だった。
すると
ギュッ
左馬刻さんが後ろから抱き締めてくれた。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。
登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。