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第3話

猫田
ここから中に入ります。
そう言って猫田さんが指を指しているのは人が二人横並びには歩けない位の細い抜け道のようなものだった。

街灯なんて一つもない。

この人、いや、この猫、本当にこんなところを通るつもりなの?



でも、今までこんな道あったかしら。

猫田さんの柔らかく温かな手で導かれてきたこの場所は、先ほど塾から帰宅しようと通ってきた道とつながっている。

どうして気がつかなかったのでしょう。
猫田
さあ、行きましょう。
この真っ暗な道を私の手を引いてずんずんと進んでいく。

不思議なことに歩いていくと私達をぼんぼりの光のような優しい光が包み込んだ。

幻想的…なんだか感動してしまいます。
猫田
着きました。
そう猫田さんが言った瞬間、強い光が私達を照らしつけました。
来栖 まのん
眩しいっ…
まぶたを閉じても目の中に光が入ってきそうなほどの強い光をさえぎるため、私は手で目を覆います。

猫田さんは平気なのかしら。

目を開けることはできないので分かりませんが、気になりました。



私はなんとなくもう光は弱まったかしらと思い、瞼をそっと開きます。

そこには言葉で表しきれないような不思議な空間が広がっています。

まず、私の目の前にはとてもとても大きな木がそびえたっていました。

確かこの木はモンキーポッド。

以前図書館の本に書いてあった説明書きを読んだ気がします。

そしてこの木をくるりと取り囲むようにあるのは…箪笥たんすでしょうか。

和風な箪笥のようです。

なぜ私が箪笥だと断言できないかというと、今まで見たことのある箪笥は比べ物にならない程大きいから。

モンキーポッドの木よりも大きい、いやいやもしかしたら私が修学旅行で見てきた東京スカイツリーよりも大きいかもしれない箪笥が壁のように木を囲んでそびえたっていました。

その箪笥の周りでは猫田さんと同じような格好をした猫達があくせくと働いているようです。



不思議。

本当にその一言に尽きるわ。



私が立ち尽くしてこの不思議な空間を眺めていると、すれ違う猫達は私のことを不思議そうな顔で見ていました。

人間は私しかいないのかしら。

なんて思って、私はすぐに首を横に振りました。

当たり前のことでしょう。

人間が来ていたら噂になっていてもおかしくないものね。

それにこんなに素敵な場所があるなら行ってみたいと言う人で溢れかえってしまうはずよ。
猫田
ようこそ、株式会社回り灯篭へ。
猫田さんは羽織っているコートをしゃんと整えてそう言いました。