リノside
…やってしまった。
あの後あなたが店を出てからめちゃめちゃ後悔して
独り言のように呟いた声は聞こえていたみたいで
"特別"
出かけた言葉に蓋をするように、飲み込んだ
チラッと覗いてきたヒョンジナ
こいつは元々俺の高校の後輩で、普通に仲良いんだよな
…ヒョンジナ
俺カクテルのことは気にしてないんだよな…
あなたが?
俺の話って
おもわず声に出てしまった。
よりよってあなたがそんなはずは無い
……まじ、?
ちょっと浮かれてる俺馬鹿みたいだな。
そんなことよりも、あいつがこのバーに来なくなる方が俺は困る。
そう思って、やっぱり謝ろうと思った。
仕事終わりにカトクしようと思ったけど、なんて言えばいいか分からなくて
結局1週間がすぎて
分かってはいる。
だけど行動に移せずにいた
そんな矢先、俺のスマホに一通の通知音が鳴ったんだ
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編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!