2年前
私が中学3年生の時、付き合っている人がいた。
彼は優しくて、イケメンで、いつも私優先で…
本当に理想の彼氏だった。
だから、付き合った時は周りの女子の嫉妬を感じる時が多くて、
嫌がらせも受ける時も多かったけれど、今はすっかり無くなった。
本当に幸せでいっぱいだった。
こんな毎日は続くわけなかった。
いつも通り学校に行った。
だけど、下駄箱を見たら、私の上靴だけない。
全て話すと、顔色を変えて、一緒に探してくれると言ってくれた。
そのあと、探したけれど出てくるわけもなく、
私はその日スリッパで過ごした。
まぁ、今思えば典型的ないじめだと思う。
日に日にエスカレートしていって、ついには陽くんまでもが
いじめに参加していた。
最初は暴言だったのが、そのうち暴力に変わった。
殴られ、蹴られ、しまいにはカッターで切りつけられた。
足の傷はこの時ついたものだ。
私は家に閉じこもった。
怖くて怖くて、いつ誰に裏切られるか分からなかった。
でも、華佳だけは違った。
いじめられていた時、華佳は別のクラスで、なかなか私と接する
機会がなく、いじめに気づいてやれなかったのだと言う。
本当にごめんねと繰り返し謝ってくれた。
華佳はなにも悪くないのに、むしろこんな状態でも私に話しかけてくれる方が
ありがたいことなのに、みんなから好かれる華佳が憎くて、嫉妬していた。
一週間後
華佳にあんな酷いこと言って、もう嫌われたに違いない。
そう思っていたのに、彼女は来てくれたのだ。
でも、私の部屋には入ってこないで、ドア越しに話し始めた。
気づいたら、私は泣いていた。
そして、ドアを開けて、彼女に抱きついていた。
華佳は私の本当の親友なのだ。
彼女にされたこと全てを話すと、華佳はうーんと考えたあと、
私にこう言った。
そう、そこで2人で考えた挙句、出てきたのが今の私なのだ。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!
転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。