ジ『んっ…』
少し眠っちゃったみたいだ
俺の手はまだあなたちゃんとつながっていて
さっきより熱くない気がして安心した
ジ『そろそろ帰るね…』
小声でそう告げてあなたちゃんの部屋を出ようとした時
あなたちゃんの枕元にガラスの箱が目に入った
その中には見覚えのあるリング
…田中先生と一緒だ
次の日。
「ジェシーくん、昨日はありがとう」
ジ『お!元気になった?よかったよー』
あなたちゃんが学校に来れたみたいでよかった
ただ、リングのことが頭に浮かんで少し作り笑いになった
ただの幼馴染み
間違いなくあれは先生があなたちゃんに買ったものだ
本当に幼馴染みとしか思ってないのかよ
樹『おはよー』
いつもみたいに爽やか笑顔で入ってくる先生の指にはあのリング
思ってたより敵は手強いかもしれない
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。